アルフレックス福岡
福岡市中央区天神1-14-18
天神ブリッククロス南棟1F
営業時間:AM11:00〜PM6:00
休業日:火・水曜日、祝日
問い合わせ先
プロポスタ 092-292-0204
アルフレックス福岡
福岡市中央区天神1-14-18
天神ブリッククロス南棟1F
営業時間:AM11:00〜PM6:00
休業日:火・水曜日、祝日
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儀間 朝龍 氏
(アーティスト/rubodan代表/PECOPO project代表)
【ポップカルチャーとの出会いとルーツについて】
──沖縄という環境で育ち、アメリカの文化(映画やポップカルチャー)が身近だったという経験は、現在の「流通と消費」をテーマとする作品コンセプトにどのように影響を与えましたか
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沖縄出身なので、アメリカンカルチャーとの出会いは幼少期からあって、それこそ物心ついた時ぐらいから『ゴーストバスターズ』や『ターミネーター』といったハリウッド映画の名作をたくさんみていました。週末になると父親と一緒に「今日のお昼はキャンベルスープを飲もうか」となるようなカルチャーの中で育ってるんです。
書籍『POP ART』に出会ったのは高校の頃で、とても衝撃を受けました。それは「週末に飲んでるこのキャンベルスープ缶がなんでアートなの?」というもので、あまりにも身近なものが(アートの)モチーフになってるという驚きだったんです。美術の授業では、美しいものや上手に書くことがアートと教えられていましたが、そうじゃないポップアートというジャンルがあり、自分たちの身近にあるものもアートのモチーフになるんだっていう驚きがあったんですね。その後、名古屋での大学生活、東京でのアルバイト、NY留学などを経て沖縄に戻りました。それから2009年にダンボールを水につけると1枚1枚に剥がすことができるっていうのをに気づいたんです。それが雨の日だったんですけど、濡れたダンボールが地面に落ちていて、その端っをめくってみると簡単に1枚1枚剥がすことができました。その経験からノート作りなどを始めました。
沖縄に戻ってからは那覇の公設市場のすぐ近くで住んでいたのですが、市場のダンボールを見て、沖縄で開けられて捨てられちゃうんだと気付きました。それから捨てられてるダンボールはどこから来てんだろうなと見るようになっちゃって。そんなダンボールを作品を通して発表すれば、間接的にいろんなことに気づくことが多いんじゃないかっていうところから、「流通と消費」をセットにして制作していこうという風に決意したんです。
【アルフレックスとの親和性】
──アルフレックスが追求する「長く安心して使える家具」の思想と、儀間さんの作品における「流通と消費」の視点は、どのような点で共鳴し合っていると感じましたか?
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アルフレックスが掲げる「長く安心して使える家具」というテーマにはとても強く共感しています。私の作品は「流通と消費」がテーマですがそこには“永遠の儚さ”ということを伝えたいという想いがあります。延々と作られる商品をモチーフにすることで永遠を表現し、それが使われることで消費を表現。それは長く愛されるものを作り、それを使い続けてもらうというアルフレックスの商品とも近いところにあるのではと感じています。例えば今回の作品を見てもらい、捨てられるはずのものも作品になることや、日常のものに対してもっと大切に使いたい、こうすればもっと使えるという視点を得ていただけると嬉しいですね。
【アルフレックス福岡の展示について】
──今回の展示にあたり、山川社長から「(アルフレックスの)イメージをぶっ壊してほしい」という依頼があったそうですが、どの様にプロデュースされたでしょうか。
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まず心がけたのは、僕が関わることでイメージを壊しつつも広がりを感じさせて、さらによく見せることでした。また、2025年1月発表のアルフレックス新製品のテーマが『JOY』とのことだったので展示会のタイトルを『JOY POP』としたんです。それにこの会場は天井が高いので、大きなダンボールを使って何かできないかとも考えました。そこでスタッフの皆さんとダンボールをくり抜いて文字や星形を作ったんです。こういった空間のディレクションも初めての試みです。ダンボールで作ったソファ「ギマレンコ」や「AJ 1」シリーズも今回初披露となる作品です。作品展示だけでなく、空間づくりにもチャレンジでき、僕自身たくさん勉強になりましたし、それにその機会を与えてくださったことに感謝しています。
儀間 朝龍 氏
アーティスト/rubodan代表/PECOPO project代表
1976年 沖縄県生まれ 廃ダンボールを再生した紙「SIMPLE PAPER MADE」を発想し、2011年にステーショナリーブランドrubodanを設立。福祉作業所と協働し、素材に新たな命を吹き込む活動を続けている。 2014年からは「流通と消費」をテーマに、身近なアメリカンカルチャーや沖縄のモチーフを素材にした“POP COLLAGE”シリーズを展開。近年は「永遠と儚さ」をテーマに、ガムテープや段ボールを使った作品を制作。2025年には「ポップにエコを楽しむ」をコンセプトにPECOPO projectをスタートし、日常素材から新しい価値を提案している。
近年の主な活動に、BAPE GALLERY 上海での個展「BAPE POP GIMA」や、BEAMS JAPAN B GALLERYでの展示など。コラボレーションに A BATHING APE、GUCCI、adidas、オリオンビールなどがある。
高須 学氏
(インテリア・プロダクトデザイナー)
【アルフレックス福岡デザインの経緯】
──「アルフレックス福岡」に携わることになった経緯を教えてください。
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「プロポスタ」さんとは、10年ほど前に行ったショールーム1階リニューアルからのお付き合いがあります。その後、2021年に完成した中洲中島町の「PROPOSTA di CASA」の改装にも参加しました。そんな経緯もあり、「アルフレックス福岡」の店舗デザインを今回担当させていただきました。
【店舗デザインのコンセプト】
──店舗をデザインにするにあたり、心がけていることはありますか。
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「アルフレックス福岡」は、中洲中島町にある「プロポスタ」のショールームや「PROPOSTA di CASA」と比べて、より天神の中心部にあります。つまり、目的意識がなくても立ち寄りやすい場所ということです。だからこそ、気軽にフラッと入ることができる空間を目指しました。また「アルフレックス」がメインになるため、従来の「プロポスタ」さんの客層とは立ち寄る年齢層が変わると考えられます。そこで「アルフレックス」のカジュアルで日常的なアイテムをより魅力的にディスプレイするために、この店舗ではライトで明るい健康的なイメージを意識しました。天井も高くし、ナチュラルな素材感の床材を採用しているのもそういった狙いがあります。壁はどんなテーマにも対応できるニュートラルな白を基調としています。アイキャッチとなる赤の壁は、本国・イタリアのロゴの赤を意識して、少し落ち着きのある赤の素材を採用しました。そうすることでイタリア生まれ日本育ちのブランドであるというストーリーを表現しています。
また、「アルフレックスジャパン」は1969年に保科正氏が設立し、それから50年以上日本に脈々と受け継がれているブランドです。そんな「アルフレックス」を素晴らしい商品を通じて若い世代にも伝えられる空間になればと思います。
【高須氏とアルフレックスについて】
──高須氏と「アルフレックス」との出会いについて教えてください。
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私の世代は、当時天神にあったインテリアショップ「NIC(ニック)」で「アルフレックス」に出会った人が多いのではないでしょうか。そこで見た「マレンコ」はとても衝撃的でした。当時から「マレンコ」は、ニュートラルで完成されていました。まさにこの店を体現しているようなアイテムだと思います。30年以上前に自分が衝撃を受けたソファが同じ姿でディスプレイされると考えるととても感慨深いです。
【アルフレックス福岡の楽しみ方】
──デザイナー視点で、この店舗の楽しみ方を解説してください。
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その時々のテーマによって空間のイメージが変化する、『可変性』のある場所となっています。入り口に設置した回転する壁はその象徴的な部分です。一面は赤、その反対側は白の壁面にすることで、店の印象をテーマごとに変化。さらに壁の角度を変えることでも雰囲気を変えることができます。また、天井を半分スケルトンにすることで、見る角度によって店の印象が変わります。訪れるごとに違う表情を見せてくれる場所なので、何度でも足を運んでほしいですね。
TGDA(Takasu Gaku Design and Associates)
髙須 学 氏
1974年福岡県生まれ。九州芸術工科大学芸術工学部工業設計学科卒業後、「FARM一級建築士事務所」入社を経て、2002年に「タカスガクデザイン」を設立。2018年に現在の社名に改称し、日本はもちろん、世界をフィールドにインテリア・プロダクトデザイナーとして活躍する。
中村弘峰 氏
(中村人形四代目 人形師)
【アルフレックス福岡デザインの経緯】
──「アルフレックス福岡」に携わることになった経緯を教えてください。
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2024年にPROPOSTAさん主催で開催されたトークショーでプロダクトデザイナーの深澤直人氏が登壇されたのですが、深澤さんのギフトとして私の作品を贈りたいと山川社長からご依頼をいただきました。その際、深澤さんが申年生まれということもあり、マントヒヒとマンドリルの作品を提供したんです。それがきっかけで「アルフレックス福岡」にディスプレイする作品をご依頼いただきました。
【作品のコンセプト】
──今回の依頼内容と、それに対してどのようなコンセプトを構築されたのかを教えてください。
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ご依頼いただいた時は、アルフレックスの代表作である「マレンコ」を題材にした作品をディスプレイ用に製作してほしいというざっくりした内容でした。なので、実際に「マレンコ」を拝見し、素材感や座り心地を確認して製作に入りました。形成の後、粘土の状態で山川社長に見ていただいたんですが、その際に「今回は店のシンボルにしたいので、ベーシックな麻をモチーフにするのではなく、弘峰さんに遊んでもらいたい」と追加依頼があり、この柄を思いついたんです。
作品タイトルは「FLOW BOYの特等席 MARENCO」です。京都の御所人形を再解釈した「FLOW BOY」は私の主要な作品シリーズで、流れを意味する「FLOW」には、同音の「不老(=永遠)」という相反する意味も込めています。そのFLOW BOYが「マレンコ」に座ることで「アルフレックス」というブランドの歴史を感じさせながら、店舗や商品が未来永劫と続くことを願っています。また、「マレンコ」の柄となっている波(FLOWAVE)は、過去から現在に至る時間の流れを表現。また苔や岩にぶつかる様は、人と人、商品と人の出会いを表しています。また博多人形の波は博多山笠のイメージを想起させると共に、海外の人には葛飾北斎の「冨嶽三十六景」を彷彿とさせます。
【中村弘峰氏とアルフレックスについて】
──弘峰さんは『アルフレックス』についてどんな印象がありますか。
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私はこのプロジェクトで初めて「マレンコ」について知りましたが、とても可愛らしく、人形向きな題材という印象を持ちました。作っていてかっちりしているようでしていない不思議なバランスが楽しかったです。また彫刻的でありながら自由さもあるフォルムは、博多人形との親和性も感じました。国内外のさまざまなアーティストとコラボした「マレンコ」がありますが、私の作品もその一つになったことを嬉しく思います。「アルフレックス福岡」の店舗デザインをされた高須氏が手がけたディスプレイ台に、この作品が飾られるところを早く見たいですね。
中村弘峰 氏
1986年、福岡県生まれ。東京藝術大学美術学部彫刻科卒業後、大学院に進み美術研究科彫刻を専攻、2011年に修了。その後、佐賀の人形師や寺院で住み込みを1年経験し、人形の技術を学ぶため父である中村信喬氏に師事した。
2013年の「第60回日本伝統工芸展」で初入選を果たし新人賞を受賞。2014年には人形師になって初となる個展「人形師中村弘峰展「スサノオ~神々の肖像~」を開催した。現在、博多人形はもちろん、木工作品やマスコットキャラクターのデザインなどジャンルを超えて活躍している。